후리가나로 읽는 일본 고전
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くがつのあるひ
九月の或る日
宮本 百合子
宮本 百合子의 九月の或る日(くがつのあるひ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 5,130자 · 11화면
枯木が一本どうしたわけかその工場の横に突立っている。往来近いところは長い乱れた葦にかくされているが、向う側の小店の人間が捨てる必要のある総ての物――錆腐った鍋、古下駄から魚類の臓腑までをこの沼に投げ込むと見えアセチリン瓦斯の匂いに混って嘔吐を催させる悪臭が漲っている。
蒸気の艫へ、三人かたまって河風にふかれた。空はもう墨を流したようだ。水神の方角で大きい稲妻がする。その下に白鬚橋が長く反を打って廻燈籠の絵のようであった。川面にぽつりぽつり赤い燈、緑色の灯。櫓の音。東京を留守にしようとする網野さんは感情をもって此等の夜景を眺めているらしかった。
「――元よくこの辺翔んでいた――都鳥でしたっけか、白い大っきい鳥――ちっともいなくなっちゃいましたね、震災からでしょうか」
区画整理が始まって、駒形通りは工場裏のように雑然としている。
「無くなっちゃったかな――この模様じゃあぶないな。――あれがないとプログラムが変るんだが……」
「どこです」
「え?」
私はたのしみの為にわざと返事を明かにせず行くと、右手の石や材木や乱脈の上に「前川、この先に移転仕り候」と大きな看板が出ていた。