일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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ふたつのにわ

二つの庭

宮本 百合子

宮本 百合子의 二つの庭(ふたつのにわ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 195,492자 · 389화면

아오조라 문고

つい先日、灯をつけない動坂の家の客間で保と話した話の内容や、その背景となっている学生たちのこころもちも思い浮んだ。これらはみんな伸子の生活のなかにおこっている筈のことであった。それだのに、伸子のきょうは全く平穏で、このとおり籐椅子にかけ、庭には盛夏に向って繁茂した夏草の午後のいきれがこめている。晩には、すだれの下った茶の間で、おとといそうであったように、今夜も冷たい京都風な煮うめんをたべるだろう。――

その平穏は、しかし伸子自身にとっても何となし澄明でなかった。新聞に、二高や松山高校の盟休について、水野文相が断然処分する、と断言したために、それらの高校の校長がつよ腰になっているばかりでなく、学内の暴力団があばれているということが云われている。これは、ほかのどの新聞にも出た。こういうことのうちには伸子に自分の平穏を懐疑させる事実があった。

文相である政友会の政治家の細君は、萬亀子といって、多計代とは、明治の初めに建てられた貴族的な女学校の同級生であった。どちらかというと親友の部類であった。萬亀子夫人が熱心な天理教信者であるため、ときどき互の意見が合わなかったが、それがすぎると、芝居の切符のことだの、同窓会のことだのと、電話でながくしゃべり合った。