후리가나로 읽는 일본 고전
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ふたつのてがみ
二つの手紙
芥川 竜之介의 二つの手紙(ふたつのてがみ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 11,799자 · 24화면
すると、私の眼の前には、たちまち意外な光景が現れました。北向きの窓の前にある机と、その前にある輪転椅子と、そうしてそれらを囲んでいる書棚とには、勿論何の変化もございません。しかし、こちらに横をむけて、その机の側に立っていた女と、輪転椅子に腰をかけていた男とは、一体誰だったでございましょう。閣下、私はこの時、第二の私と第二の私の妻とを、咫尺の間に見たのでございます。私は当時の恐しい印象を忘れようとしても、忘れる事は出来ません。私の立っている閾の上からは、机に向って並んでいる二人の横顔が見えました。窓から来るつめたい光をうけて、その顔は二つとも鋭い明暗を作って居ります。そうして、その顔の前にある、黄いろい絹の笠をかけた電燈が、私の眼にはほとんどまっ黒に映りました。しかも、何と云う皮肉でございましょう。彼等は、私がこの奇怪な現象を記録して置いた、私の日記を読んでいるのでございます。これは机の上に開いてある本の形で、すぐにそれがわかりました。
私はこの光景を一瞥すると同時に、私自身にもわからない叫び声が、自ら私の唇を衝いて出たような記憶がございます。また、その叫び声につれて、二人の幻影が同時に私の方を見たような記憶もございます。