후리가나로 읽는 일본 고전
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にじゅうしのひとみ
二十四の瞳
壺井 栄
壺井 栄의 二十四の瞳(にじゅうしのひとみ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N3. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N3 · 중급 · 신자체·신가나 · 113,429자 · 227화면
だが、唱歌だけは、なんとしてもオルガンがむつかしい。オルガンは、裁縫するようには手が動かないからだ。それを一生けんめい、ひきこなそうとする男先生の勉強ぶりは、奥さんにとっては、神々しいようでさえあった。十月だというのに、男先生は、たらたら汗を流していた。外へきこえるのをはばかって、教室の窓はいつもしめてあったから、汗はよけい流れた。
先生ならばオルガンぐらいひけるのがあたりまえなのだが、なにしろ、小学校を出たきり、努力ひとつで教師になった男先生としては、なによりもオルガンがにが手であった。田舎のこととて、どこの学校にも音楽専任の先生はいなかった。どの先生もじぶんの受けもちの生徒に、体操も唱歌も教えねばならない。そんなこともいやで、じぶんからたのんで、こんなへんぴな岬へきたのであったのに、今になってオルガンの前で汗を流すなど、オルガンをたたきつけたいほど腹が立った。
しかし、今夜はそうではなかった。奥さんひとりの生徒にしろ、ひき手と歌い手の調子が合うところまでいったのだ。そんなわけで、男先生のほうは、わりとごきげんだった。そこで奥さんにむかって、少し鼻をたかくした。