후리가나로 읽는 일본 고전
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にせんどうか
二銭銅貨
江戸川 乱歩
江戸川 乱歩의 二銭銅貨(にせんどうか)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 17,143자 · 34화면
「ウン、話してもいい。爺さんと婆さんとの間に一人の娘がある。俺は一度か二度その娘を見かけたが、そう悪くない容色だぜ。それがなんでも、監獄の差入屋とかへ嫁いているという話だ。その差入屋が相当に暮しているので、その仕送りで、あの不景気な煙草屋も、つぶれないで、どうかこうかやっているのだと、いつか婆さんが話していたっけ。……」
こう、私が煙草屋に関する知識について話し始めた時に、驚いたことには、それを話して呉れと頼んで置きながら、もう聞き度くないと云わぬばかりに、松村武が立上ったのである。そして、広くもない座敷を、隅から隅へ丁度動物園の熊の様に、ノソリノソリと歩き始めたのである。
私共は、二人共、日頃から随分気まぐれな方であった。話の間に突然立上るなどは、そう珍しいことでもなかった。けれども、この場合の松村の態度は、私をして沈黙せしめた程も、変っていたのである。松村はそうして、部屋の中をあっちへ行ったり、こっちへ行ったり、約三十分位歩き廻っていた。私は黙って、一種の興味を以て、それを眺めていた。その光景は、若し傍観者があって、之を見たら、余程狂気じみたものであったに相違ないのである。