후리가나로 읽는 일본 고전
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ごべんのつばき
五瓣の椿
山本 周五郎
山本 周五郎의 五瓣の椿(ごべんのつばき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 149,721자 · 296화면
と云った。驚いたり狼狽したようすは少しもなく、ゆったりとおちついた態度だった。
「私は町方与力の青木千之助という者です」と彼は答えて云った、「ちょっと聞きたいことがあるのだが、坐ってもいいですか」
娘は「どうぞ」と云い、すぐ気がついたように、片方の膳の前にある座蒲団を取って、千之助のほうへすすめた。彼はそこへ坐り、刀を右に置いた。
「役目だから言葉を改めます」
「はい」と娘は坐り直した。
「まずところと名を聞こう」
「住居は湯島横町、名は倫と申します」
「親がかりか」
「はい、いいえ」娘はかぶりを振りながら、眩しそうに眼を伏せた、「少しわけがありまして、いま親の家からはなれ、湯島横町で茶の師匠をしております」
「年は幾つになる」
「二十歳になります」
「二十歳で茶の師匠か」と千之助は云った、「実家のことを聞こう、ところ、しょうばい、両親やきょうだいのことだ」
娘はためらった、「あのう」と娘は口ごもり、哀願するような眼で千之助を見た、「こんなことが親に知れると困るのですが」
「親には知れないようにしてやる、尤も、云えなければむりに云わなくともいいんだ」
「家は日本橋石町で、伊勢屋という紙問屋をしております」