후리가나로 읽는 일본 고전
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ごべんのつばき
五瓣の椿
山本 周五郎
山本 周五郎의 五瓣の椿(ごべんのつばき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 149,721자 · 296화면
そうだろうか、すっかり焼けて骨だけになったのだから、なにも証拠になるような物が出て来る筈はない。慥かに、なにも出て来る筈はない。しかし役人には役人の眼がある、どんなに巧みに仕組まれた罪も、しらべるようにしてしらべれば必ず発見されるというではないか。
「あの人は現にあたしを見ている」とおしのは呟いた、「もし疑わしいことをみつけたら、むさし屋のほうをしらべるだろう」
店のほうは大丈夫だ。養子にはいった当主の伊四郎はもちろん、番頭の嘉助さえなにも知らない。ただ徳次郎だけは、あたしの生きていることを知っている。もし徳次郎がしらべられるとすれば、――こう思ってきて、おしのは身ぶるいをした。あの人が吟味にかけられたとき、飽くまで知らないと云い切る気力はないだろう。たとえその気力があったにしても、あの人をそんな辛いめにあわせるわけにはいかない。もうきりをつけるときだ、とおしのは心をきめた。
おしのは手文庫を出して、机の前に坐った。金はまだ二百五十両とちょっと残っていた。おしのはそれを二つに分け、二つを紙に包んだ、一つに「おまさどの」と書き、他の包みといっしょに机の抽出へ入れ、残った金を紙入れへ入れた。