후리가나로 읽는 일본 고전
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きょうのしき
京の四季
和辻 哲郎
和辻 哲郎의 京の四季(きょうのしき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 7,914자 · 16화면
杉苔は湿気地ではうまく成長しないが、乾いた土地でもだめである。その上、一定の風土的な条件がなくてはならぬ。京都はそういう条件を持っている。それが京都の湿度だと思う。
私は永い間東京には杉苔はないと思っていた。東京で名高い名園などでも杉苔を見なかったからである。しかし京都から移って来て数年後に東京の西北の郊外に住むようになってみると、杉苔は東京にもざらにあることがわかった。農家の防風林で日陰になっている畑の畔などにはしばしば見かける。散歩のついでにそれを取って来て庭に植えたこともあるが、それはいつのまにか消滅してしまった。杉苔を育てるのはむずかしいと承知しているから、二度とは試みなかった。ところが五、六年前、非常に雨の多かった年に、中庭の一部に一面に杉苔が芽を出した。秋ごろには、京都の杉苔の庭と同じように、一坪くらいの地面にふくふくと生えそろった。これはしめたと思って大切に取り扱い庭一面に広がるのを楽しみにしていたのであるが、冬になって霜柱が立つようになると、消えてなくなった。翌年も少しは出たが、もう前の年のようには育たなかった。雨の少ない年には全然出て来ないこともある。