후리가나로 읽는 일본 고전
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きょうのしき
京の四季
和辻 哲郎
和辻 哲郎의 京の四季(きょうのしき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 7,914자 · 16화면
昨年はいくらか出たが、今年は比較的多く、庭のところどころに半坪ぐらいずつ短いのが生えそろっている。竜の髯の間にもかなり萌え出ているところがある。しかし冬は必ず消えるのであるから、京都の杉苔のようになる望みは全然ない。それを見て私には、東京と京都との風土の相違がかなり具体的にわかったのである。
これは杉苔だけのことであるが、しかし杉苔にこれほど顕著に現われている相違は、他のあらゆる植物にもあるに相違ない。樹の葉の色の相違などは、たぶんそこに起因するものであろう。東山や嵐山などを包んでいる樹木の種類は非常に多いのであるが、そういう多種類の樹木の一々が、非常に具合のいい湿気に恵まれて、その樹木に特有な葉の色を、最も純粋に発揮しているのかもしれない。あるヨーロッパの画家が、新緑ごろの嵐山を見て、緑の色の種類のあまりに多いのに驚嘆した、という話を聞いたことがある。特に京都でそういう印象を得たということは、京都の樹木の種類が多いことを示すとともに、また一々の樹の特徴が他の地方でよりもくっきりと出ていることを示すのであろう。椎の樹は武蔵野の原始林を構成していたといわれるが、しかし五月ごろの東山に黄金色に輝いている椎の新芽の豪奢な感じを知っているものは、これこそ椎だと思わずにはいられない。