후리가나로 읽는 일본 고전
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じんがいまきょう
人外魔境
小栗 虫太郎
小栗 虫太郎의 人外魔境(じんがいまきょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 20,384자 · 42화면
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リオの、軟微風とはブラジル人の自慢――。
棕梠花のにおいと、入江の柔かな鹹風とがまじった、リオの秋をふく薫風の快よさ。で今、東海岸散歩道の浮カフェーからぶらりと出た折竹が、折からの椰子の葉ずれを聴かせるその夕暮の風を浴びながら、雑踏のなかを丘通りのほうへ歩いてゆく。その通りには、「恋鳩」「処女林」と、一等船客級をねらうナイトクラブがある。
「ううい、処女林か。処女林なんてえ名は、どこにもあると見える」
と彼は、蹣跚というほどではないが相当の酔心地、ふらふら「恋鳩」の裏手口を過ぎようとした時に……。いきなり内部から風をきって、彼の前へずしりと投げだされたものがある。みると、一つのスーツケース。とたんに奥で、癇だかい男のどなり声がする。
「さあさあ、出てけ出てけ。君みたいな芸なし猿に稼がれてちゃ、沽券に係わるよ。さあ、出ろ!」
皆さんは、よくこうした場面を映画でご覧になる。お払い箱というときは襟首をつままれて、腰骨を蹴られてポンと抛りだされるが、これも挙措動作がひじょうな誇張のもとに行われる、南米のラテン型の一つ。おやおや、ここの芸人が一人お払い箱になるらしい。