후리가나로 읽는 일본 고전
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じんがいまきょう
人外魔境
小栗 虫太郎
小栗 虫太郎의 人外魔境(じんがいまきょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 101,713자 · 205화면
といって、愛嬌はあるが、寸分も美人ではない。まあ、十人並というよりも、醜女のほうに分があろう。
「ほら、私だというとこんな具合で、化物海豹めが温和しくなっちまう」と、餌桶いっぱいの魚をポンポンくれているおのぶサンと、鯨狼をひき比べてみているうちに、折竹がぷうっと失笑をした。それを見て、
「この人、気がついたね」
と、おのぶサンがガラガラッと笑うのだ。
「なんぼ、私とこの大将と恰好が似ているからって、別に、親類のオバサンが来たなんてんで、懐いたんじゃないよ。つまり、相縁奇縁ってやつだろうね。私もこいつも、知らぬ他国を流浪の身の上だから、言葉は通じなくても以心伝心てやつ」
「おい姐さん、以心伝心で口説いちゃいけねえよ」
と、白粉っ気はないが、道化らしい顔がのぞく。
馬を洗う音や、曲奏の大喇叭の音。楡の新芽の鮮緑がパッと天幕に照りはえ、四月の春の陽がようやく高くなろうとするころ、サーカスのその日の朝が目醒める。しかしまだ、鯨狼をここへ売ったのが何者かということが、最後の問題として残っているのだ。それに、親方が次のように答える。
「なんでもね、二っちも三っちもいかなくなった捕鯨船の後始末とかで、こいつを売ったやつの名は、クルト・ミュンツァ、です。