후리가나로 읽는 일본 고전
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じんがいまきょう
人外魔境
小栗 虫太郎
小栗 虫太郎의 人外魔境(じんがいまきょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 101,713자 · 205화면
へじぶんを惹きよせようとする。きっと、ザチはソ連の女だろう、と、折竹はそういうように考えていた。しかし、どこにもザチらしい婦人はいない。ただ、テムズを越えてみえるバタッシー公園の新芽の色が、四月はじめの狭霧にけむり、縹渺として美しい。
翌朝は、ロンドンの郊外クロイドンの飛行場。アームストロング・ウィットウァース機の車輪一度地をはなれれば、鵬翼欧亜の空を駆り日本へと近付いてゆく。が、まず彼は事務所にいって、同乗の旅客表をしらべたのである。しかし、ザチの名はなかったのだ。
「たいていは、アラビアオーマン国の王子ご新婚式に出むかれる、新聞社の方々や外交関係でございます」と、折竹に旅客掛りが説明をする。
「ご婦人※(疑問符感嘆符、1-8-77) それはお一人ですが、ハッキング卿夫人で。いいえ、外国の方は貴方さまばかりで……」
やがて、機はふんわりと空中に浮び、朝の湿気のもとに広茫とひろがっているクロイドンは、はや見えずになってしまった。左様なら、また、信念を充すものがくるまで、探検よさらば。と、翌夜捲きこまれる奇怪な運命があるのも知らず、彼は胸をくもらせ、無限の感慨にひたっていたのだ。