후리가나로 읽는 일본 고전
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しぐれがさ
人情武士道
山本 周五郎
山本 周五郎의 人情武士道(しぐれがさ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 24,700자 · 51화면
出来るなら誰の目にも触れない山奥へでも行って、全身を仕事に打込みたい、仕事の他にはなんにも考えたくないとさえ突詰めている。……殊に此頃では、彼は自分に絶望していた、骨を削るような苦心をして彫る物が、一つとして満足な出来を見せてくれない。
――己は駄目なのか。そういう疑いさえ起っている。こうなるともう自分を自分で縛るようなもので、平常から殻へ入った栄螺のような気質がますます内へ内へと引籠り、仕事も気持も次第に追詰められて、身動きのならぬ状態に陥ってしまうものだ。宗七はいま自分では気付かずにそういう穴へはまっている。
当もなく、雨催いの街を歩き廻って、宗七が帰って来たのは、もう灯の点き始める頃だった。
家へ入るとたんに、
「おや!」
と呆れたのは、お雪が行燈の下で、せっせと夕食の支度をしている姿だった。
「お帰んなさいまし」
「お雪さん、おまえまだいたのか、もう日が暮れたというのに、なにをしているんだ」
「知っていますわ、でも……いいの」
「よかあない、家でどんなに心配しているか知れません、早く帰らなくちゃあ」
「いいえ帰りません」
お雪は強く頭を振った、「あたし、今日は、帰らない積りで出て来たんです。