후리가나로 읽는 일본 고전
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にんげんしっかく
人間失格
太宰 治의 人間失格(にんげんしっかく)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 73,014자 · 141화면
、なんだ、あの時の鮨やの親爺に似ているんだ、と気が附き苦笑した事も再三あったほどでした。あのひとの名前も、また、顔かたちさえ記憶から遠ざかっている現在なお、あの鮨やの親爺の顔だけは絵にかけるほど正確に覚えているとは、よっぽどあの時の鮨がまずく、自分に寒さと苦痛を与えたものと思われます。もともと、自分は、うまい鮨を食わせる店というところに、ひとに連れられて行って食っても、うまいと思った事は、いちどもありませんでした。大き過ぎるのです。親指くらいの大きさにキチッと握れないものかしら、といつも考えていました)そのひとを、待っていました。
本所の大工さんの二階を、そのひとが借りていました。自分は、その二階で、日頃の自分の陰鬱な心を少しもかくさず、ひどい歯痛に襲われてでもいるように、片手で頬をおさえながら、お茶を飲みました。そうして、自分のそんな姿態が、かえって、そのひとには、気にいったようでした。そのひとも、身のまわりに冷たい木枯しが吹いて、落葉だけが舞い狂い、完全に孤立している感じの女でした。
一緒にやすみながらそのひとは、自分より二つ年上であること、故郷は広島、あたしには主人があるのよ、広島で床屋さんをしていたの、昨年の春、一緒に東京へ家出して逃げて来たのだけれども、主人は、東京で、まともな仕事をせずそのうち