후리가나로 읽는 일본 고전
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のぶこ
伸子
宮本 百合子
宮本 百合子의 伸子(のぶこ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 232,543자 · 466화면
この方は名取さん――音楽がご専門――」
伸子は一人一人に向って克明に頭を下げた。
一通りの挨拶、短い応答が終ると、伸子は失望というか、意外さというか、ぼんやり寥しい心持を感じた。居合せる人の中には一目で何処か好きになれるというような人が一人もいなかった。彼女らは、それぞれ専門もちがい容貌も違ってはいるのだが、誰でもがしっかりものらしいところ、物質にも精神にも多忙で絶えず何かに追い立てられているという余裕のない感じ。それらは、うるおいない身なりとともに、例外ない持ち前であった。伸子は、傍の椅子の上に外套を脱いだ。
一旦途切れていた学校の話、留学生の噂が間もなく甦った。ある人は、伸子に親切に話しかけた。彼女は愛想よくそれぞれ答えた。然し、心が変に沈鬱になった。伸子は、この部屋をこめている生活の狭い、暢々しない雰囲気が何となく窮屈で馴染めなかった。折角新しい自然や人間の生活の中に入ってきていながら、何も見ず聞かず、友達とよっても課業、課題、いそがしさ、又は、第三者には興味の起しようもない人の噂しかできない海外遊学生の境遇に、伸子は恐怖を感じた。
縛りつけられた感じは、階下の広間に出ても伸子から去らなかった。