일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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さはしじんごろう

佐橋甚五郎

森 鴎外

森 鴎外의 佐橋甚五郎(さはしじんごろう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 6,308자 · 13화면

아오조라 문고

近習の甚五郎がお居間の次で聞いていると、石川与七郎数正が御前に出て、大阪への使を承っている。

「誰か心の利いた若い者を連れてまいれ」と家康が言う。

「さようなら佐橋でも」と石川が言う。

やや久しい間家康の声が聞こえない。甚五郎はどうした事かと思っていると、やっと家康の声がする。「あれは手放しては使いとうない。この頃身方についた甲州方の者に聞けば、甘利はあれをわが子のように可哀がっておったげな。それにむごい奴が寝首を掻きおった」

甚五郎はこのことばを聞いて、ふんと鼻から息をもらして軽くうなずいた。そしてつと座を起って退出したが、かねて同居していた源太夫の邸へも立ち寄らずに、それきり行方が知れなくなった。源太夫が家内の者の話に、甚五郎はふだん小判百両を入れた胴巻を肌に着けていたそうである。

天正十一年に浜松を立ち退いた甚五郎が、はたして慶長十二年に朝鮮から喬僉知と名のって来たか。それともそう見えたのは家康の僻目であったか。確かな事は誰にもわからなんだ。佐橋家のものは人に問われても、いっこう知らぬと言い張った。しかし佐橋家で、根が人形のように育った人参の上品を、非常に多く貯えていることが後に知れて、あれはどうして手に入れたものか、といぶかしがるものがあった。