후리가나로 읽는 일본 고전
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やすきちのてちょうから
保吉の手帳から
芥川 竜之介의 保吉の手帳から(やすきちのてちょうから)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 8,771자 · 18화면
「おい、今夜つき合わんか?」
保吉は悪魔の微笑の中にありありとファウストの二行を感じた。――「一切の理論は灰色だが、緑なのは黄金なす生活の樹だ!」
彼は悪魔に別れた後、校舎の中へ靴を移した。教室は皆がらんとしている。通りすがりに覗いて見たら、ただある教室の黒板の上に幾何の図が一つ描き忘れてあった。幾何の図は彼が覗いたのを知ると、消されると思ったのに違いない。たちまち伸びたり縮んだりしながら、
「次の時間に入用なのです。」と云った。
保吉はもと降りた階段を登り、語学と数学との教官室へはいった。教官室には頭の禿げたタウンゼンド氏のほかに誰もいない。しかもこの老教師は退屈まぎれに口笛を吹き吹き、一人ダンスを試みている。保吉はちょいと苦笑したまま、洗面台の前へ手を洗いに行った。その時ふと鏡を見ると、驚いたことにタウンゼンド氏はいつのまにか美少年に変り、保吉自身は腰の曲った白頭の老人に変っていた。
恥
保吉は教室へ出る前に、必ず教科書の下調べをした。それは月給を貰っているから、出たらめなことは出来ないと云う義務心によったばかりではない。教科書には学校の性質上海上用語が沢山出て来る。