일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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ちゅうとう

偸盗

芥川 竜之介

芥川 竜之介의 偸盗(ちゅうとう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 48,934자 · 97화면

아오조라 문고

「走れ。羅生門は遠くはない。」太郎は、片目に熱を病んだような光を帯びて、半ば無意識に、馬の腹を蹴った。馬は、尾と鬣とを、長く風になびかせながら、ひづめに火花を散らして、まっしぐらに狂奔する。一町二町月明かりの小路は、太郎の足の下で、急湍のように後ろへ流れた。

するとたちまちまた、彼のくちびるをついて、なつかしいことばが、あふれて来た。「弟」である。肉身の、忘れる事のできない「弟」である。太郎は、かたく手綱を握ったまま、血相を変えて歯がみをした。このことばの前には、いっさいの分別が眼底を払って、消えてしまう。弟か沙金かの、選択をしいられたわけではない。直下にこのことばが電光のごとく彼の心を打ったのである。彼は空も見なかった。道も見なかった。月はなおさら目にはいらなかった。ただ見たのは、限りない夜である。夜に似た愛憎の深みである。太郎は、狂気のごとく、弟の名を口外に投げると、身をのけざまに翻して、片手の手綱を、ぐいと引いた。見る見る、馬の頭が、向きを変える。と、また雪のような泡が、栗毛の口にあふれて、蹄は、砕けよとばかり、大地を打った。――一瞬ののち、太郎は、惨として暗くなった顔に、片目を火のごとくかがやかせながら、再び、もと来たほうへまっしぐらに汗馬を跳らせていたのである。