후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
やつがたけのまじん
八ヶ嶽の魔神
国枝 史郎
国枝 史郎의 八ヶ嶽の魔神(やつがたけのまじん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 160,664자 · 323화면
深夜の風が植え込みに当たり、ザワザワザワザワと音を立て、曇った空には星影もなく、城内の人々寝静まったと見え森閑として物凄い。その時雨戸が音もなく開き人影がひらりと下り立った。他ならぬ若殿頼正である。
眼に見えぬ糸に曳かれるように、傍目もふらず頼正は、スーッ、スーッと歩いて行く。
すると裏門の潜り戸が、これも人あって開けるかのように、音も立てずスーッと開いた。それを抜けて城外へ出る。犬を吠えず鶏も啼かぬ寥々寂々たる屋敷町を流星のように走り過ぎる。向かう行手は神宮寺であろう。その方角へ走って行く。
「さてこそ」と運八は思いながら、二間あまりの間隔を取りこれも負けずに直走る。
町を抜けると野良である。野良の細道を二個の人影が、足音も立てずに走って行く。間もなくこんもりとした森へ出た。頼正は森の中へ走り込む。で、運八も走り込み、やがてその森を抜けた時には、頼正の姿は見えなかった。
「これはしまった」と呟いた時、一人の老婆が向こうから来た。何やら思案をしていると見えて、首を深く垂れている。
「ご老婆ちょっと物を尋ねる」
運八は切急に声を掛けた。「立派な若いお侍がたった今この道を行った筈。