후리가나로 읽는 일본 고전
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やつがたけのまじん
八ヶ嶽の魔神
国枝 史郎
国枝 史郎의 八ヶ嶽の魔神(やつがたけのまじん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 160,664자 · 323화면
早く行け島太夫! そうして柵を連れて来い! 俺は女を見たいのだ。殺された恋人の首級を見てどんなに女が悶え苦しむか俺はそれが見たいのだ。その悲しみとその悶えとを俺に見せまいと押し隠し空々しい笑みを顔に湛えて俺の方へ手を延ばすその柵を見たいのだ。早く柵を連れて来い!」
「お連れ致さずともお姫様はすぐお殿様のお目の前においで遊ばすのでござります」島太夫は顫えながら手を上げて几帳の蔭を指差した。「静かな睡眠永遠の睡眠……お姫様は几帳の蔭で眠っておられるのでござります」
聞くと一緒に宗介はつかつかと几帳の前まで行った。
「柵、柵、眼を醒ませ。そなたの許婚宗介が今こそここへ戻って来たのだ。さあ早くそこから出て俺の贈り物を見るがよい。やッ……」
とにわかに仰天し宗介は几帳を掻いやったがぐたりと膝を床に突いた。
と、灯火の仄かの光に淡くおぼろに照らし出されたのは血に染んだ柵の屍骸である。
思わず宗介は両手を延ばし彼女の躯を抱き起こしたとたんに、襖がサラリと開いて走り出た一人の乙女。
「お姉様!」
と叫びながら柵の屍骸へ取り縋る。
「誰だ!」
と宗介は眼を見張りその乙女を見詰めたが、何んに驚いたか抱えていた柵をはたと床へ取り落とした。