후리가나로 읽는 일본 고전
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やつがたけのまじん
八ヶ嶽の魔神
国枝 史郎
国枝 史郎의 八ヶ嶽の魔神(やつがたけのまじん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 160,664자 · 323화면
と駕籠が宙に浮き、すぐシトシトと歩き出した。
「どんな用があって紋兵衛は、こんな深夜に裏門から蘭医などを訪ねたのであろう」
こう思って来て葉之助は合点の行かない思いがした。そこで彼は駕籠の後をつけて見ようと決心した。
駕籠は深夜の江戸市中を東へ東へと進んで行った。これを今日の道順で云えば、愛宕町から桜田本郷へ出て内幸町から日比谷公園、数寄屋橋から尾張町へ抜けそれをいつまでも東南へ進み、日本橋から東北に取り、須田町から上野公園、とズンズン進んで行ったのであった。さらにそれから紋兵衛の駕籠は根岸の方へ進んで行き、夜も明方と思われる頃、一宇の立派な屋敷へ着いた。
「これはいったいどうしたことだ? 帯刀様の下屋敷ではないか」後をつけて来た葉之助は、驚いて呟いたものである。
九
もう夜は明方ではあったけれど、しかし秋の夜のことである。なかなか明け切りはしなかった。
駿河守の下屋敷は森帯刀家の下屋敷と半町あまり距った同じ根岸の稲荷小路にあったが、そこには愛妾のお石の方と、二人のご子息とが住居していた。総領の方は金一郎様といい、奥方にお子様がないところから、ゆくゆくは内藤家を継ぐお方で、今年数え年十四歳、武芸の方はそうでもなかったが学問好きのお方であった。