후리가나로 읽는 일본 고전
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やつがたけのまじん
八ヶ嶽の魔神
国枝 史郎
国枝 史郎의 八ヶ嶽の魔神(やつがたけのまじん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 160,664자 · 323화면
駿河守の下屋敷と森帯刀家の下屋敷との、ちょうど真ん中まで来た時であったが、幽かな幽かな笛のような音が、彼の眼の前の地面を横切り、駿河守の下屋敷の方へ、走って行くのを耳にした。
「なんであろう?」と怪しみながら、彼はじっと耳を澄ませ、その物の音に聞き入った。音は次第に遠ざかって行った。そうして間もなくすっかり消えた。
なんとなく気味悪く思いながら彼は尚しばらく佇んでいた。
「お、これは?」と呟くと、彼はツカツカ前へ進み、顔を低く地面へ付けた。と、地面に何物か白く光る物が落ちていた。そうしてそれは白糸のように一筋長く線を引き、帯刀家の下屋敷と、駿河守の下屋敷とを、一直線に繋いでいた。
「石灰かな?」と呟きながら、指に付けて嗅いで見て、彼はアッと声を上げた。強い臭気が鼻を刺し、脳の奥まで滲み込んだからで、嘔吐を催させるその悪臭は、なんとも云えず不快であった。
何か頷くと葉之助は、懐中から鼻紙を取り出したが指で摘んで白い粉を、念入りにその中へ摘み入れた。それから静かに帰路についた。
その夜が明けて朝となった。
いつも早起きの金一郎様が、その朝に限って起きて来ない。