후리가나로 읽는 일본 고전
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やつがたけのまじん
八ヶ嶽の魔神
国枝 史郎
国枝 史郎의 八ヶ嶽の魔神(やつがたけのまじん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 160,664자 · 323화면
盗むことで、それを盗んだ多四郎は、それを鋳潰して売ったため、にわかに富豪になったこと、その甲冑を取り返すため、窩人達が人の世へ出て行ったこと、こうして多四郎の紋兵衛は、間接でもあり偶然でもあるが、とにかく葉之助に殺されたこと。さて窩人は葉之助の手で、多四郎の命は絶ったけれど、宗介天狗の甲冑を、取り返すことは出来なかったので、故郷八ヶ嶽へは帰ることが出来ず、今も諸国を流浪していること。――
これが白法師の話であった。
「久田の姥の執念は、私の力でもどうすることも出来ない。で、お前はいつまでも若く、いつまでも不安でいなければならない。……だがこれだけは教えることが出来る。お前はお前の力をもって久田の姥の執念を、あべこべに利用することが出来る」
「あべこべに利用すると申しますと?」葉之助は反問した。
「それは自分で考えるがいい」
白法師と別れ、八ヶ嶽を下り、人里へ出た葉之助は、高遠城下へは帰らずに、何処とも知れず立ち去った。
爾来彼の消息は、杳として知ることが出来なかった。
時勢はズンズン移って行った。
天保が過ぎて弘化となり、やがて嘉永となり安政となり、万延、文久、元治、慶応、そうして明治となり大正となった。