후리가나로 읽는 일본 고전
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やつがたけのまじん
八ヶ嶽の魔神
国枝 史郎
国枝 史郎의 八ヶ嶽の魔神(やつがたけのまじん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 160,664자 · 323화면
雪は今し方止んだばかりで、雲間を洩れた月光が斜めに崖を照らしている。
その崖には斜めに高く人工の道が出来ている。半年の月日を費やして根気よく多四郎が造ったもので、今、その道を上の方から二人の男が下りて来る。
「ヨイショ」「ドッコイ」と忍び音に互いに声を掛け合いながらソロリソロリと下りて来る。
それは多四郎と権九郎とで、菰に包んだ太短い物をさも重そうに担いでいる。
すっかり崖を下りきった所で二人はホッと吐息をして、
「もう一息だ、やってしまおうぜ」
「合点」と権九郎が合槌を打つ。
で、また二人は荷物を担いで、そばに立っている木小屋の前を足音を立てずに通り過ぎ、雪を冠って聳えている森の方へ歩いて行った。
間もなく森へはいったが、大きな杉の根方から犬の啼き声が聞こえて来た。
「これ! 畜生!」と叱りながら二人はそっちへ近寄って行く。そこに一台の犬橇があって人の乗るのを待っていた。
「どっこいしょ」と云いながら、二人は荷物を重そうに橇の上へズシリと置いたが続いて自分達も飛び乗った。権九郎が手綱を取り多四郎が荷物の側へ寄る。ピシッと一鞭くれながら権九郎は振り返った。