후리가나로 읽는 일본 고전
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おとめのきとアブ・サルガ
処女の木とアブ・サルガ
野上 豊一郎
野上 豊一郎의 処女の木とアブ・サルガ(おとめのきとアブ・サルガ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 10,098자 · 20화면
一
カイロに着いた翌日、町の北東五マイルほどの郊外にある昔のヘリオポリス(日の町)の遺跡にウセルトセン一世の建てたエジプト現存第一の大オベリスクを見に行った。そのついでに車を廻して、そこからあまり遠くない所にある「処女の木」を見物した。
その辺はマタリアと呼ばれる部落で、五千年前のヘリオポリスの殷賑などはいくら想像を働かしても実感することのできないほどに今は荒れさびれている。泥ででっち上げた低い家の飛び飛びに並んだほこりっぽい道路の片側に、牧場で見るような簡単な板を打ちつけた片折戸が締まっていて、案内者のサイドが車から下りてベルを鳴らすと、遠い奥の方からヌビア人らしい黒ん坊の子供が跣足で駈けて来て、その戸をあけた。入って行くと、奥は廃園といったような感じのする広場になって、シャリ・エル・ミサラと呼ばれ、三角州地方では最も古い庭園の一つといわれている。隅に小さい番人の小屋があり、其処から黒ん坊の小僧は飛び出して来たのだった。
庭園のまん中ほどに一株の大きなシカモアの木が白っぽく朽ちた二股の幹を七八尺の高さに折れ残して枯れ立っている。それが謂わゆる「処女の木」