후리가나로 읽는 일본 고전
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とねのしゃくあゆ
利根の尺鮎
佐藤 垢石
佐藤 垢石의 利根の尺鮎(とねのしゃくあゆ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 6,342자 · 13화면
でも、大川平三郎は糸之瀬から一滴の水も下流へこぼさなかったが、浅野総一郎は岩本の堰堤から、ぎこちない魚梯を通して、僅かの水を下流へ送った。そんな障害物が川の真ん中に横たわってから、はるばる太平洋に別れて遡ってきた若鮎の群れは、大堰堤の下へ集まって、怨めしそうに、高い高いコンクリートの壁を見あげた。
一群のうち、からだの頑丈な、もう十五、六匁に達した若ものは、魚梯から僅かにこぼれ落ちる水の中へ、突っ込んでいった。そして、とうとう魚梯を登りつめて、大堰堤の上へ満々と溜まった淵へ躍り込んだ。これは、並み大抵の労苦ではない。
この勇敢な、体力的な若鮎は、一群のうちそう大した数がいるものではない。多くの力の弱い意気地がない連中は、自分たちになし能わざるを観念して、すごすごと下流の方へ引き返していった。そして、手頃の石について水垢を食って、育った。
魚梯を登っていった連中は、昔と同じように堅肉に肥えて、強い力で釣り人の鈎に掛かった。しかし、そんなことは二、三年で終わってしまった。次第次第に、川の条件が悪くなってくると共に、海からくる鮎の数が減っていった。魚梯から落ちる水が、雀の涙ほどに量が少なくなっていったからだ。