후리가나로 읽는 일본 고전
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じゅうはちじょうおつ
十八条乙
山本 周五郎
山本 周五郎의 十八条乙(じゅうはちじょうおつ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 13,127자 · 26화면
伊原にそのことを告げると、却って不安がましたようすで、すぐにもこの城下から出たいと云いだした。
「傷は縫ったから、あとは膏薬とさらしの取替えだけすれば充分だ」と伊原は云った、「そうでなくとも、城下を出てから必要なら医者にかかれる、今夜のうちにぬけだそう」
伊原はそう主張してきかなかった。そこでその夜半、庄兵衛は伊原を背負い、必要な金と品物の包をあやが持って、裏木戸から家を出た。夜空は晴れて星がいちめんに見えたが、地面は雪が五寸くらいも積っているため、木戸を出たところで小川にはいり、流れの中を地蔵橋までいった。流れは早いが水は浅く、底は小石まじりの砂だから、あるくのに苦労はなかったが、伊原を背負っている庄兵衛は、重いのと緊張とでへばってしまい、躯じゅうに冷汗をかいた。――その橋には名がない、すぐ傍らに地蔵堂があるので、俗に地蔵橋と呼ばれているのだが、庄兵衛はその地蔵堂で伊原をおろし、納屋町へ駕籠をたのみにいった。その駕籠屋の弥右衛門というのは、もと西条家の下僕を勤めていたもので、いま勤めている加助はその伜であった。事情は話せないが極秘でたのむと云うと、この弥右衛門の首でも差上げましょうかと笑い、どんな理由にしろ秘密は守ると誓った。