후리가나로 읽는 일본 고전
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ちくまがわのスケッチ
千曲川のスケッチ
島崎 藤村
島崎 藤村의 千曲川のスケッチ(ちくまがわのスケッチ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 81,668자 · 164화면
遠い山々は重く暗い空に隠れて、かすかに姿をあらわして見せた。この一面の雪景色の中で、僅かに単調を破るものは、ところどころに見える暗い杜と、低く舞う餓えた烏の群とのみだ。行手には灰色な雪雲も垂下って来た。次第に私は薄暗い雪国の底の方へ入って行く気がした。ある駅を離れる頃には雪も降って来た。
この旅は私独りでなく小諸から二人の連があった。いずれも私の家に近いところの娘達で、I、Kという連中だ。この二人は小諸の小学を卒えて、師範校の講習を受ける為に飯山まで行くという。汽車の窓から親達の住む方を眺めて、眼を泣きはらして来る程の年頃で、知らない土地へ二人ぎり出掛るとは余程の奮発だ。でもまだ真実に娘々したところのある人達で、互に肘で突付き合ったり、黄ばんだ歯をあらわして快活に笑ったり、背後から友達を抱いて車中の退屈を慰めたりなどする。Naiveな、可憐な、見ていても噴飯したくなるような連中だ。御蔭で私も紛れて行った。Iの方は私の家の大屋さんの娘だ。
豊野で汽車を下りた。そのあたりは耕地の続いた野で、附近には名高い小布施の栗林もある。その日は四阿、白根の山々も隠れてよく見えなかった。