후리가나로 읽는 일본 고전
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ちくまがわのスケッチ
千曲川のスケッチ
島崎 藤村
島崎 藤村의 千曲川のスケッチ(ちくまがわのスケッチ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 81,668자 · 164화면
私はこの春の遅い山の上を見た眼で、武蔵野の名残を汽車の窓から眺めて来ると、「アア柔かい雨が降るナア」とそう思わない訳には行かない。でも軽井沢ほど小諸は寒くないので、汽車でここへやって来るに随って、枯々な感じの残った田畠の間には勢よく萌え出した麦が見られる。黄に枯れた麦の旧葉と青々とした新しい葉との混ったのも、離れて見るとナカナカ好いものだ。
四月の十五日頃から、私達は花ざかりの世界を擅に楽むことが出来る。それまで堪えていたような梅が一時に開く。梅に続いて直ぐ桜、桜から李、杏、茱萸などの花が白く私達の周囲に咲き乱れる。台所の戸を開けても庭へ出掛けて行っても花の香気に満ち溢れていないところは無い。懐古園の城址へでも生徒を連れて行って見ると、短いながらに深い春が私達の心を酔うようにさせる……
「千曲川のスケッチ」奥書
このスケッチは長いこと発表しないで置いたものであった。まだこの外にもわたしがあの信濃の山の上でつくったスケッチは少くなかったが、人に示すべきものでもなかったので、その中から年若い人達の読み物に適しそうなもののみを選み出し、更にそれを書き改めたりなぞして、明治の末の年から大正のはじめへかけ当時西村渚山君が編輯している博文館の雑誌「中学世界」