후리가나로 읽는 일본 고전
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ちくまがわのスケッチ
千曲川のスケッチ
島崎 藤村
島崎 藤村의 千曲川のスケッチ(ちくまがわのスケッチ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 81,668자 · 164화면
朝通いの人達が、下駄の歯につく雪になやみながら往来を辿るさまは、あたかも暗夜を行く人に異ならない。赤い毛布で頭を包んだ草鞋穿の小学生徒の群、町家の軒下にションボリと佇立む鶏、それから停車場のほとりに貨物を満載した車の上にまで雪の積ったさまなぞを見ると、降った、降った、とそう思う。私は懐古園の松に掛った雪が、時々崩れ落ちる度に、濛々とした白い烟を揚げるのを見た。谷底にある竹の林が皆な草のように臥て了ったのをも見た。
岩村田通いの馬車がこの雪の中を出る。馬丁の吹き鳴らす喇叭の音が起る。薄い蓙を掛けた馬の身はビッショリと濡て、粗く乱れた鬣からは雫が滴る。ザクザクと音のする雪の路を、馬車の輪が滑り始める。白く降り埋んだ道路の中には、人の往来の跡だけ一筋赤く土の色になって、うねうねと印したさまが眺られる。家ごとに出て雪をかく人達の混雑したさまも、こういう土地でなければ見られない光景だ。
薄い靄か霧かが来て雪のあとの町々を立ち罩めた。その日の黄昏時のことだ。晴れたナと思いながら門口に出て見ると、ぱらぱらと冷いのが襟にかかる。ヤア降ってるのかと、思わず髪に触ると、霧のように見えたのは矢張細かい雪だということが知れる。