후리가나로 읽는 일본 고전
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はんとういっきしょう
半島一奇抄
泉 鏡花
泉 鏡花의 半島一奇抄(はんとういっきしょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 13,324자 · 27화면
「どうした。」
あたかもまた一つ、颯と冷い隧道の口である。
「ええ、あの出口へ自動車が。」
「おおそうか。……ええ、むやみに動かしては危いぞ。」
「むこうで、かわしたようです。」
隧道を、爆音を立てながら、一息に乗り越すと、ハッとした、出る途端に、擦違うように先方のが入った。
「危え、畜生!」
喚くと同時に、辰さんは、制動機を掛けた。が、ぱらぱらと落ちかかる巌膚の清水より、私たちは冷汗になった。乗違えた自動車は、さながら、蔽いかかったように見えて、隧道の中へ真暗に消えたのである。
主人が妙に、寂しく笑って、
「何だか、口の尖がった、色の黒い奴が乗っていたようですぜ。」
「隧道の中へ押立った耳が映ったようだね。」
と記者が言った。
「辰さん。」
いま、出そうとする運転手を呼んで、
「巳の時さん――それ、女像の寄り神を祭ったというのは、もっと先方だっけね。」
「旦那、通越しました。」
「おや、はてな、獅子浜へ出る処だと思ったが。」
「いいえ、多比の奥へ引込んだ、がけの処です。」
「ああ、竜が、爪で珠をつかんでいようという肝心の処だ。……成程。」
「引返しましょうよ。」
「車はかわります。