후리가나로 읽는 일본 고전
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らんとうばのてんにょ
卵塔場の天女
泉 鏡花
泉 鏡花의 卵塔場の天女(らんとうばのてんにょ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 47,251자 · 94화면
とその店仕きりの暖簾を潜る時、隅の棚の、あの福助に思わず声を掛けようとしたのには、あとで自分でも妙な気がした。なぜというに、目をきょろりと出額の下から、扇子構で、会釈をしたように思ったからである。
「やあ、雪代さんか、」
と、八郎が声を掛けた優婉な婦が居て、菊の奥を台所口から入ったお悦の手から魚籠を受取った。……品のいい、おとなしづくりの束髪で、ほっそりした胸に紅い背負上がちらりと見えて、そのほかは羽織も小袖も、ただ夜の梅に雪がすらすらと掛ったような姿であった。――あとでも思ったが、その繕わない無雑作な起居の嫋々さもそうだが、歩行く時の腰の柔かに、こうまでなよなよと且つすんなりするのを、上手の踊のほかは余り見掛けない。引しまった、温かい、すっと長い白い脚が、そのまま霞を渡りつつ揺れるかと見える。同じくらいの若さの時、お悦の方は颯と脱いで雪が露われたのだし、これは衣を透通るのであろう。「雪代さん」聞いただけで、昨夜から八郎も言わなければ、あえて私も聞こうとはしなかった。その「お久さん。」とかいうのでない事は直ぐに知れた。雪代はお悦の娘で――主人は折から旅行中の、ある陸軍中佐の夫人だという。