후리가나로 읽는 일본 고전
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さんぐうがえり
参宮がえり
田中 貢太郎
田中 貢太郎의 参宮がえり(さんぐうがえり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 7,325자 · 15화면
「そんなら伯父さん、私の頼みを聞いてくれますか」
「ええ、判っちょる、云うな」
兄の声が聞えた。
「あほう、そんなことを云うひまに、お客さんに茶でもあげえ」
忰は何を云っているか判らない船頭一家の話を切れ切れに聞いていたが、そのうちに胴の間へ来る軽い跫音がするのでふりかえった。女が茶を持って来たところであった。
「お客さん、お茶をあげましょう」
女はそう云って忰の前に行儀好く坐った。
「これはありがとう」
忰は起きて坐りなおした。
「御膳も出来ました、すぐこれからあげます」
陸へ往っていた父親が橋板を渡って帰って来た。それと同時に女は腰をあげたが、腰をあげながら忰の顔をじっと見た。忰はその白い顔を見返した。
「船頭さん、明日はどうじゃろう、やっぱり風が無いじゃろうか」
父親の声に年老った船頭のしゃがれた声が答えた。
「明日は大丈夫じゃ、この雲は夜中比から晴れて、二番鶏時分から風になるよ、潮もなおるし、明日は日の高いうちに豊橋へ着く、今日のように、潮の悪いことはめったにない」
「そうかなあ、舟の上が長いとたまらない、明日は早く豊橋へ帰りたいもんじゃが」
「帰れるとも、飯でも喫て、ゆっくり休むが良え、朝、眼を覚した時分には、舟はもう走りよる、飯は途中で炊いて、ぬくぬくを喫わせる」