후리가나로 읽는 일본 고전
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とりかじ
取舵
泉 鏡花
泉 鏡花의 取舵(とりかじ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 7,453자 · 15화면
されどもこの日の空合は不幸にして見謬られたりしにあらざるなきか。異状の天色はますます不穏の徴を表せり。
一時魔鳥の翼と翔りし黒雲は全く凝結して、一髪を動かすべき風だにあらず、気圧は低落して、呼吸の自由を礙げ、あわれ肩をも抑うるばかりに覚えたりき。
疑うべき静穏! 異むべき安恬! 名だたる親不知の荒磯に差懸りたるに、船体は微動だにせずして、畳の上を行くがごとくなりき。これあるいはやがて起らんずる天変の大頓挫にあらざるなきか。
船は十一分の重量あれば、進行極めて遅緩にして、糸魚川に着きしは午後四時半、予定に後るること約二時間なり。
陰※たる空に覆れたる万象はことごとく愁いを含みて、海辺の砂山に著るき一点の紅は、早くも掲げられたる暴風警戒の球標なり。さればや一艘の伝馬も来らざりければ、五分間も泊らで、船は急進直江津に向えり。
すわや海上の危機は逼ると覚しく、あなたこなたに散在したりし数十の漁船は、北るがごとく漕戻しつ。観音丸にちかづくものは櫓綱を弛めて、この異腹の兄弟の前途を危わしげに目送せり。
やがて遙に能生を認めたる辺にて、天色は俄に一変せり。――陸は甚だ黒く、沖は真白に。