일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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きょうふのきせつ

叢書名著の復興1 恐怖の季節

三好 十郎

三好 十郎의 叢書名著の復興1 恐怖の季節(きょうふのきせつ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 257,544자 · 508화면

아오조라 문고

いくらか、あの話を思い出させる。広津のノミの切れ味は鈍い。速度も遅い。したがって我々が期待するような鋭さや速さでは人間像は浮び上って来ない。歯がゆいようにノロノロとそれらは筆の先から出て来る。しかし確かに出て来るのだ。それはそこに在るのだ。生きた人間がそこにいる。この実在感は疑いようがない。何はなくともこれさえあれば小説家として欠けるところはないとも言える。これさえあれば、ホントの意味では下手だとは言えないし、下手だと言われて、さしつかえない。しかし、

「その上に人生で羞恥心などといふものは疾くの昔に何処かに置き忘れて来てしまったような梶野は、隣室などには何の遠慮もなく破廉恥に振舞はうとする。それがひさには何より厭であった。」

と言ったようなネボケタ抽象的な叙述で、この女の相手の男に対する性的嫌悪ならびに隣室に対する気持の抵抗などのジカな実感を読者に与え得ると作者は思っているのだろうか? 部分々々でジカな実感を読者に与えないことを作者が何かの目的のために意識して意図しているのであったら、これはこれでよいとも言える。しかし、この作品でこの作者がそのようなことを意図しているのだとは思えない。