후리가나로 읽는 일본 고전
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ふるきミニエチュア
古き小画
宮本 百合子
宮本 百合子의 古き小画(ふるきミニエチュア)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 70,298자 · 140화면
スーラーブはその心をなつかしく感じた。彼は、
「行って会おう」
と云わずにはいられなかった。
「先刻食物を与え、休息させてございます」
「…………」
スーラーブは立上った。そして何処となく乾いた樫の葉と獣皮との匂が、混って漂っているようなシャラフシャーの身辺近く向き変る拍子に、彼は、自分の心にかかっている総てのことを、あらいざらい云ってしまいたいような、突然の慾望に駆られた。
スーラーブは、我知らず、シャラフシャーの、厚い、稍前屈みになった肩に手をかけた。が、何とも云えない羞しさが、彼の口を緘(とざ)した。自分とひとの耳に聞える声に出して「ルスタム」と云うことすら、容易なことではなく感じられる。階段の降り口に来ると、スーラーブはそのまま黙ってシャラフシャーの肩から手を離し、先に立って段々を降りた。
宝石売の男は、広間の隅に、脚を組んで坐っていた。向い側の垂帳が動き、スーラーブと他の三四人の姿が見えると、彼は、慌しく坐りなおし、額と両掌とを床にすりつけて跪拝した。スーラーブは、拡げられた敷物の上に坐った。坐が定まると、宝石売の男は、黒い釣り上った胡桃形の眼を素ばしこく動かし、スーラーブの顔色を窺(うかが)い窺い、仰々しく感謝の辞を述べた。