후리가나로 읽는 일본 고전
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ふるきミニエチュア
古き小画
宮本 百合子
宮本 百合子의 古き小画(ふるきミニエチュア)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 70,298자 · 140화면
少量の朝餐が済むと、日が山陰に沈む迄、彼は、戸外で暮した。祖父か、或は他の臣と共に馬に騎(の)り、狩に出かけ、何もない野原で食物を煮る火を作ることから、馬の傷の手当をすること、獲った動物の皮を剥ぐことまで――一人の勇ましいツランの戦士が知らなければならない総てのことを、男らしい、実際の場合に即したやり方で、教え込まれるのであった。活々した冒険心に富んだスーラーブの少年期は、極く愉快に三年経った。彼は十歳になった。その年、厳しい冬の間から祖父が内臓の苦痛を訴え始めた。そして、脾腹(ひばら)が痛むと云って飲食も不可能になると、間もなく、老人は瀕死の重体になった。
煎薬のにおいや、悪魔払いの薫物の香が、長い病人の臥床につき纏(まと)う、陰気な、重苦しい空気と混って、まだ寒い広間の中に漂っている。スーラーブは、明りの差し込む窓の下で侍者と一緒に、ぼんやり湯の沸くのを待っていた。
天井から吊った懸布の下の床では何か不具の重い虫でも飛ぶような息の音を静寂な四辺に響かせながら病人が家臣の一人と話している。スーラーブは、侘しい退屈な心持で、そのゼーゼーいう音をきき、雪の上をちょいちょい歩く二三羽の鶫(つぐみ)を看ていた。