후리가나로 읽는 일본 고전
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こじじゅんれい
古寺巡礼
和辻 哲郎
和辻 哲郎의 古寺巡礼(こじじゅんれい)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 143,765자 · 285화면
目を転じて室の西南隅に向かうと、そこには大安寺の、錫杖を持った女らしい観音や一輪の蓮花を携えた男らしい観音などが、ズラリと並んでいる。さらに目を転じて室の北壁に向かうと、そこにも唐招提寺などの木彫の観音が、あたかも整列せしめられたごとくに、並び立っている。室の中央には法隆寺の小さい金銅観音が、奇妙な微笑を口元に浮かべつつ、台上のところどころにたたずんでいる。岡寺の観音は半跏の膝に肱をついて、夢みるごとき、和やかな瞑想にふける。それが弥勒であるとしても、われわれの受ける印象は依然として観音である。
十大弟子、天竜八部衆、二組の四天王、帝釈・梵天、維摩、などを除いて、目ぼしいものはみな観音である。これは観音像がわりに動かしやすいために、自然に集まってきたというわけかも知れない。しかし考えてみると、三月堂の不空羂索観音、聖林寺の十一面観音、薬師寺東院堂の聖観音、中宮寺観音、夢殿観音など、推古天平の最も偉大な作品は、同じくみな観音である。他に薬師如来の傑作もあるが、観音の隆盛にはかなわない。だから推古天平室に観音の多いことは、直ちに推古天平時代の観音崇拝の勢力を暗示するとみてよいであろう。