후리가나로 읽는 일본 고전
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きゅうけつき
吸血鬼
江戸川 乱歩
江戸川 乱歩의 吸血鬼(きゅうけつき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 190,554자 · 381화면
夜の闇が、こうも人をめくらにするものかと、人々は、今さら太陽の有難さを感じないではいられなかった。
あんなにも探し廻って、発見出来なかった賊が、暁の光の中では、たった一目で、馬鹿馬鹿しい程造作なく、見つかってしまったのだ。
それにしても、何という奇想天外な隠れ場所であったろう。人々は、まさか屋根より高い場所へ、賊が逃げ出そうとは、想像もしなかった。うっかり、それを度外視していた。
国技館は、あの巨大な丸屋根が、立派な目印になっているのだから、別にそんなものを、使用する必要はなかったのだが、宣伝好きの興行主任が、看板代りの広告風船を採用していた。飛行船型の風船が、丸屋根の空高く、繋留され、その大きな胴中に「菊花大会」の四文字が、どんな遠くからでも見えるように、黒く染め出してあるのだ。
風船をつないだ、太い麻繩は、館の裏手の地上から、丸屋根の縁を伝って、一直線に、空へ昇っている。
賊は屋根から麻繩をよじ昇って、その広告風船へ天上していたのだ。
風船の腹の四方から丁度たこの様に、沢山の細い繩が集まって、地上からの太繩にむすびつけてあるのだが、その細い繩の中心に、ハンモックに乗った格好で、賊は楽々と身を横たえていたのである。