후리가나로 읽는 일본 고전
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『わがはいはねこである』じょうへん
吾輩は猫である
夏目 漱石의 吾輩は猫である(『わがはいはねこである』じょうへん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 322,123자 · 643화면
と云い終って頭を少々畳から上げて見ると老人は未だに平伏しているので、はっと恐縮してまた頭をぴたりと着けた。
老人は呼吸を計って首をあげながら「私ももとはこちらに屋敷も在って、永らく御膝元でくらしたものでがすが、瓦解の折にあちらへ参ってからとんと出てこんのでな。今来て見るとまるで方角も分らんくらいで、――迷亭にでも伴れてあるいてもらわんと、とても用達も出来ません。滄桑の変とは申しながら、御入国以来三百年も、あの通り将軍家の……」と云いかけると迷亭先生面倒だと心得て
「伯父さん将軍家もありがたいかも知れませんが、明治の代も結構ですぜ。昔は赤十字なんてものもなかったでしょう」
「それはない。赤十字などと称するものは全くない。ことに宮様の御顔を拝むなどと云う事は明治の御代でなくては出来ぬ事だ。わしも長生きをした御蔭でこの通り今日の総会にも出席するし、宮殿下の御声もきくし、もうこれで死んでもいい」
「まあ久し振りで東京見物をするだけでも得ですよ。苦沙弥君、伯父はね。今度赤十字の総会があるのでわざわざ静岡から出て来てね、今日いっしょに上野へ出掛けたんだが今その帰りがけなんだよ。