일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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『わがはいはねこである』じょうへん

吾輩は猫である

夏目 漱石

夏目 漱石의 吾輩は猫である(『わがはいはねこである』じょうへん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 322,123자 · 643화면

아오조라 문고

山のなかだから、人の住んでる所は樟脳を採る小屋が一軒あるばかり、池の近辺は昼でもあまり心持ちのいい場所じゃない。幸い工兵が演習のため道を切り開いてくれたから、登るのに骨は折れない。ようやく一枚岩の上へ来て、毛布を敷いて、ともかくもその上へ坐った。こんな寒い晩に登ったのは始めてなんだから、岩の上へ坐って少し落ち着くと、あたりの淋しさが次第次第に腹の底へ沁み渡る。こう云う場合に人の心を乱すものはただ怖いと云う感じばかりだから、この感じさえ引き抜くと、余るところは皎々冽々たる空霊の気だけになる。二十分ほど茫然としているうちに何だか水晶で造った御殿のなかに、たった一人住んでるような気になった。しかもその一人住んでる僕のからだが――いやからだばかりじゃない、心も魂もことごとく寒天か何かで製造されたごとく、不思議に透き徹ってしまって、自分が水晶の御殿の中にいるのだか、自分の腹の中に水晶の御殿があるのだか、わからなくなって来た……」

「飛んだ事になって来たね」と迷亭君が真面目にからかうあとに付いて、独仙君が「面白い境界だ」と少しく感心したようすに見えた。

「もしこの状態が長くつづいたら、私はあすの朝まで、せっかくのヴァイオリンも弾かずに、茫やり一枚岩の上に坐ってたかも知れないです……」