일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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わし

和紙

東野辺 薫

東野辺 薫의 和紙(わし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 35,557자 · 70화면

아오조라 문고

一散に坂を駈け降りる気配が、もう予定日を目前にひかえて起居にも骨の折れるとしゑには、何ということのない羨しさであった。井戸から庭まで登ってくるのでさえ一度は息を入れねばならないのである。そこに咲いている梅の枝を折ろうとしてみたが、つい背のびが出来ず、うららかな陽に融け漂う匂いをかいだだけであった。桑畑の縁にある芍薬の赤い芽を、小さい甲虫の触角がしきりに撫でている。眼を上げると、遠い林が薄い緑に煙って、四月に入ってのこういう日は、さすがに、漉屋の水音までが心楽しいあたたかさに聞えていた。

嫂さんしようがないのと、間もなく戻って来たよしが、楮の手桶を土間に放り出すばかりにして寄ってきた。さらし小屋に駈け込んで来たユミがいきなり言い出したのは、許婚の良三郎と喧嘩をした話であった。会社の休みで村に帰って来た良三郎の、ユミへの態度は例の通りで、何か言葉のもつれから、おとなしいユミにも我慢のならないものがあったらしい。なら、あんたの気に入った女を貰ったらいいのにと、とうとう言ってやったと言うのだった。そんなにまであの人に馬鹿にされるはずはない。第一、良三郎自身が村に生れた男で、ただ五六年福島で暮しただけではないかと、ユミはそんな意味を繰り返して段々昂奮してきた。