후리가나로 읽는 일본 고전
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ラマのゆくえ
喇嘛の行衛
国枝 史郎
国枝 史郎의 喇嘛の行衛(ラマのゆくえ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 10,238자 · 21화면
一
一
拉薩の街は賑かであった。
勿論それは毎日毎日観飽きている賑かさには相違ないが、しかし同時に其賑かさは新来の旅行客を喜ばすに足る大変珍奇い賑かさでもあった。市の真中に山のように喇嘛の宮殿が聳えている。瑪瑙と玻璃と大理石とで築き上げられた大宮殿は朝陽夕陽に色を変えて西蔵国民ばかりでなく原始仏教の信仰者――トルキスタン人や錫蘭島人やボハラ人や暹羅人やキルギド人達の信者に依って極楽浄土の象徴かのように崇められるだけの美観しさをたしかに備えているのであった。
拉薩の市の城門から真直ぐに延びている大道路は常磐木の並木に飾られて※喇嘛の宮殿へまで同じ道幅に続いているが、今も昔もその道筋には仏の慈悲を讃えるために、諸方の国々から集まって来た難行苦行の信者の群が、うようよ虫のように蠢めいている。或は一歩毎に跪いて宮殿へ礼拝を行う者、又は背中に茨を負って膝頭だけで歩く者、そうかと思うと、宮殿の周囲を十歩すすんでは八歩返えり、六歩あるいては五歩退き、数里に渡る大城壁を幾月か費して廻わる者など、そういう苦行の巡礼達が街路一ぱいに溢れている。
三万余人の僧侶達を楽に養っている拉薩の市がどれほど宗教に熱心であるかは家々の屋根から釣り下げられてある経文旗に依って証拠立てられる。