후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
よっかのあやめ
四日のあやめ
山本 周五郎
山本 周五郎의 四日のあやめ(よっかのあやめ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 19,200자 · 38화면
暗くしてある有明行燈の仄かな光りの中で、良人の仰向けに寝ている顔が見えた。正しく上を向いて、静かな寝息をたてていたが、千世が襖を閉めると寝息が止り、膝ですり寄ってゆくと(上を向いたまま)眼をあいた。千世は夜具へ手の届くところまで近より、良人の眼がこっちへ向くのを待った。
庇を打つ雨の音が、彼女の神経をかきたてるように響いた。寝間の中の空気は温かく、健康な良人の躯の匂いに染まっていた。十日以上も遠のいていた良人の匂いと、他のあらゆる物音を消して降りしきる雨の音とが、千世の神経をかきたて、胸ぐるしいほど激しく官能的な情緒に包みこんだ。
「あなた」と千世は云った。
主税介は黙っていた。
「わたくしお詫びを申上げたいんです」
「わかっている」
「お詫びを申上げて、堪忍して頂きたいんですの」
「もうそれは済んだことだ」と主税介は云った。
「でも怒っていらっしゃいますわ」
主税介は答えなかった。
「ねえ、怒っていらっしゃるのでしょう」
「その話はよそう」
「堪忍すると仰しゃって、ねえ、堪忍してやるって」
「堪忍しているよ」
感情のない、冷たい声であった。千世はのぼせあがったようになり、掛け夜具をはねると、いきなり寝床の中へ入って、良人の躯に抱きついた。