후리가나로 읽는 일본 고전
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こんわくのべん
困惑の弁
太宰 治의 困惑の弁(こんわくのべん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 3,945자 · 8화면
それは当りまえのことで、何も非難される筋合いのものでは無い。日頃、同僚から軽蔑され、親兄弟に心配を掛け、女房、恋人にまで信用されず、よろしい、それならば乃公も、奮発しよう、むかしバイロンという人は、一朝めざめたら其の名が世に高くなっていたとかいうではないか、やってみよう、というような経緯は、誰にだってあることで、極めて自然の人情である。その時、その人は興奮して本屋に出掛け、先ずこの雑誌(懸賞界)を取り挙げ、ひらいてみると太宰なぞという、聞いたことも無いへんな名前の人が、先生顔して書いている。実に、拍子抜けがすると思う。その人の脳裡に在るのは、夏目漱石、森鴎外、尾崎紅葉、徳富蘆花、それから、先日文化勲章をもらった幸田露伴。それら文豪以外のひとは問題でないのである。それは、しかし、当然なことなのである。文豪以外は、問題にせぬというその人の態度は、全く正しいのである。いつまでも、その態度を持ちつづけてもらいたいと思う。みじめなのは、その雑誌に先生顔して何やら呟きを書いていた太宰という男である。
いっこうに有名でない。この雑誌の読者は、すべてこれから文学を試み、天下に名を成そうという謂わば青雲の志を持って居られる。