후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
とちにかえる
土地に還る
豊島 与志雄
豊島 与志雄의 土地に還る(とちにかえる)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 10,523자 · 22화면
東京空襲が激しくなってきた頃、彼女の住家は強制疎開で取り払われることになりました。それを機会に、彼女は両親につれられて、郷里の福井県に帰りました。それから彼女はしばしば、笠井直吉に手紙をよこしました。直吉も手紙を書きました。その通信が、直吉の罹災と共に途絶えました。彼女は二三回、直吉の旧住所へ手紙を出したらしく、その後は、郵便局宛によこしました。この郵便局宛のが彼女の許へ返送されなかったことによって、彼女は直吉の沈黙を悟り、その沈黙の理由を知りたがり、次には沈黙を恨んできました。然し、直吉は返事が書けませんでした。
彼はただ、胸が痛みました。彼女のことを想うと、直ちに、自分の顔の火傷の跡が痛切に意識されるのでした。
彼と彼女の間の愛情は、清らかなものと言えたでしょうし、または遊びごととも言えたでしょう。それは、少年の仲に見らるるもののようでもありましたし、または老人の仲に見らるるもののようでもありました。
直吉の思い出のなかに、執拗に繰り返し浮んでくるのは、次のようなことでした。
彼が彼女の肩に頭をもたせかけていますと、香油をぬりこんだ彼の長髪を、彼女は静かに撫でてくれ、いつまでも撫でてくれました。