후리가나로 읽는 일본 고전
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ちじょう
地上
島田 清次郎
島田 清次郎의 地上(ちじょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 175,250자 · 350화면
――そして、彼自身の内には天野へのある意地が早くも伸びかけて来ているし、綾子の熱心な視線をも全身に感じられる。彼は二人の前にいることが苦痛になった。彼は「それじゃ明日は僕一人で行ってまいります」と言って天野の親書を懐にして自分の部屋へ去ろうとした。そのとき、障子をあけて覗きこんだ者があった。新しい大島絣の袷をきた背の高い、そう瘠せてはいないが全体が凋びたように黒ずんで、落着かない眼付をした人相の悪い青年が懐手をして覗きこんでいる。
「あら、若様、お帰りあそばせ」と粂は言った。
「只今」と彼はうるさそうに言って火鉢の傍に坐りながら平一郎を見下ろした。
「誰だえ」天野も綾子も彼等にとっては一人子であるはずのこの青年乙彦には見むきもせず、冷淡に無関心に相手にしなかった。「今度来るはずになっていた書生なのかい」と乙彦は粂に言った。「はい、大河でございます」と粂は答えた。
「君かえ、大河は?」彼の声はしゃがれたように荒んでいた。
「僕は大河です」
「僕は乙彦だよ」彼はうっそり笑った。平一郎はこの青年が天野と綾子との子であるのかと見上げた。広い額、のび/\と隆まり拡がった鼻、濃くて逞しい眉毛、――雄偉な天野の一つ一つの相を乙彦も具えていた。