일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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ちじょう

地上

島田 清次郎

島田 清次郎의 地上(ちじょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 175,250자 · 350화면

아오조라 문고

また幾度、涙にぬれて、「偉くなる!」と叫んだことであろう。河縁には楢の木が密生して、百舌鳥が囀っていた。平一郎は丘の上にのぼって、さて草原に腰を下した。和歌子も側に坐って、二人は幸福なこの夕暮の野の空気にひたっていた。ゆるやかにも流れひびく永遠の水の音よ、大空にじっと動かない白雲よ、ようやく迫る夕べの気配に、薄暗さを増した曠野の豊かな土の色調よ、ああ、しなやかに二人のためにしとねとなる草原の草よ、楢の木林の蔭を、市街の裏手をよぎる鉄道馬車のラッパの音よ。さては今しも地平の彼方に没落しようとして、たゆとうている爛然たる、真紅の晩春の太陽よ――。和歌子はそっとさっきの水色の封筒を取り出した。

「今日、学校から帰ると深井の坊っちゃまがあなたのお手紙を下さいましてよ」

(深井の坊っちゃま)その坊っちゃまという言葉だけが今のこの世界でいけないと平一郎は思った。そして水色の封筒を受取った。手が慄えた。

「あとで読んで下さいましね」

「ええ」彼は言われるままにふところにしまった。

「お手紙には明日の朝と書いてあったけれど、わたし明日まで待っていられませんでしたの――それで、深井の坊っちゃまにあなたのお家を教えていただいたのよ」