후리가나로 읽는 일본 고전
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ぼちてんぼうてい
墓地展望亭
久生 十蘭
久生 十蘭의 墓地展望亭(ぼちてんぼうてい)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 46,485자 · 93화면
……それがきっと合図だッたんでさァ、鼬鼠のケープを着たお嬢さんがホテルから出て来て、スタスタと自動車のほうへ行きます。するとね、運転手のやつァ、いきなり、車からはね降りて、こうやって、おッ立って敬礼をしました」
「それから?」
「それから、運転手が車に乗って、行ってしまいました」
「どっちの方角へ行った」
「サン・ラファエルの方でさァ」
「車の番号は?」
「見ませんでした」
「車の色?」
「黒だったか、それとも、濃い青だったか」
「それで、もう話してくれることはないか」
「へえ、これですっかりです」
竜太郎は車庫へ電話をかけて自分の自動車を出させると、それに飛び乗って、まっしぐらに、国道百二十号へ走り出した。
サン・ラファエルまで、道々哨所でたずねて、それで、もし、わからなければ、ローヌ川の谷間まで入って行くつもりだった。
(どんなことがあっても、探しあてて見せる! どうか、もう一度だけ。……せめて、もう一度だけ!)
駛走する自動車の中で、竜太郎はいっしんに叫びつづけていた。
四
巴里には、冷たい雨が降っていた。
南仏では、もうミモザの花が散り、モンテ・カルロの夾竹桃の街路樹が真赤な花をつけているというのに、ここはまだ冬のすがただった。