후리가나로 읽는 일본 고전
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なつのはな
夏の花・心願の国
原 民喜
原 民喜의 夏の花・心願の国(なつのはな)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 152,816자 · 310화면
が、教官はいよいよ猛って来た。
「裸になるとは、こうするのだ」と、相手をぐんぐん運動場の正面に引張って来ると、くるりと後向きにさせて、パッとシャツを剥ぎとった。すると青緑色の靄が立罩めた薄暗い光線の中に、瘡蓋だらけの醜い背中が露出された。
「これが絶対安静を要した躯なのか」と、教官は次の動作に移るため一寸間を置いた。
「不心得者!」この声と同時にピシリと鉄拳が閃いた。と、その時、校庭にあるサイレンが警戒警報の唸りを放ちだした。その、もの哀しげな太い響は、この光景にさらに凄惨な趣を加えるようであった。やがてサイレンが歇むと、教官は自分の演じた効果に大分満足したらしく、
「今から、この男を憲兵隊へ起訴してやる」と一同に宣言し、それから、はじめて出発を命じるのであった。……一同が西練兵場へ差しかかると、雨がぽちぽち落ちだした。荒々しい歩調の音が堀に添って進んだ。その堀の向うが西部二部隊であったが、仄暗い緑の堤にいま躑躅の花が血のように咲乱れているのが、ふと正三の眼に留った。
康子の荷物は息子の学童疎開地へ少し送ったのと、知り合いの田舎へ一箱預けたほかは、まだ大部分順一の家の土蔵にあった。